新宿で年中無休の動物病院【ロッソ動物病院】

手術について
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去勢手術について

去勢とはオスの睾丸を摘出する手術のことです。

望まない繁殖をさけるためや、前立腺疾患、精巣腫瘍などの危険性を去勢していない犬・猫より、低くすることができます。

予防できる主な病気

精巣腫瘍

男の子の精巣(睾丸)は左右1個ずつ(計2個)、陰嚢と呼ばれる袋の中にあります。

精巣腫瘍はどちらかの精巣が大きくなることで見つかり、発症年令は10才からが最も多く、性ホルモンの過剰分泌によって貧血(女性ホルモン)、 会陰ヘルニア・肛門周囲腺腫(共に男性ホルモン)を引き起こす事があります。

特に問題なのは「潜在精巣(陰睾)」で、陰睾の男の子が精巣腫瘍を発生する率は正常な子の14倍も高くなると言われています。

治療は外科的摘出術となりますが、手術が遅いと術後に「すでに転移していた」という症例もみられます。そのため早期に去勢手術を実施することで、 精巣腫瘍の発生を「0(ゼロ)」にする事が出来ます。

前立腺疾患

男の子にはお腹の中の膀胱のすぐ後ろに「前立腺」という小さな組織があり、去勢手術をしていないと、 若い時は小さな組織だったものが歳を重ねるごとに男性ホルモン(アンドロゲン)の影響を受け少しずつ大きくなります(前立腺過形成)。

症状は「便秘」「下痢・しぶり」「排尿困難」等、また肥大した前立腺が細菌感染(前立腺膿瘍)すると「敗血症」や「ショック」を引き起こす事もあります。

これらの疾患の根本治療が「去勢手術」であり、永久的に前立腺を小さくする事が出来ます。要するに「早期に去勢手術をする」事で男性ホルモン由来の前立腺疾患(前立腺癌を除く)を 予防する事が出来ます。

会陰ヘルニア

会陰ヘルニアとは、肛門周囲の筋肉が緩くなって隙間が出来、その隙間から腹膣内の脂肪や腸が出ている状態の事を言います。「いきんでも便が出ない、出難い(便秘)」が主な症状です。 去勢手術をしていない7~9才の男の子に圧倒的に多く、前立腺肥大も併発している事があります。この会陰ヘルニアも男性ホルモンが原因とされ、 早期に去勢手術をする事で予防効果があります。わんちゃんに比較的多い疾患です。

避妊手術について

ペットの避妊手術はメスの卵巣のみ、もしくは卵巣と子宮の両方を摘出する手術です。

望まない繁殖をさけるためや、乳腺や子宮・卵巣の病気になる危険性を避妊していない犬・猫より、低くすることができます。

予防できる主な病気

乳腺腫瘍

わんちゃん・ねこちゃんの乳腺(乳房)は左右両側に4~5対(合計8~10)あり、脇の下から後肢の付け根まで伸びています。

乳腺腫瘍はこの乳腺の部分にたいてい「固いしこり」として認められます。ワンちゃんの全腫瘍の中でも約50%を占め、最も多く発生する腫瘍でしたが、 近年避妊手術を行うワンちゃんが増え、その割合は低下しつつあります。

発症年令は10~12歳が最も多く、50%が悪性腫瘍(いわゆる癌)であり、さらにその悪性腫瘍の50%は転移の可能性がきわめて高いとされています。要するに、 乳腺腫瘍を発症した25%のわんちゃんは寿命全うに影響されるという事です。ねこちゃんの場合はもっと悪く、ほとんどの乳腺腫瘍は悪性です。

最も大切な事は「早期の避妊手術を実施することで乳腺腫瘍の発生頻度を低くすることができる」という事です。初回発情前に避妊手術を実施すると、 その発生率は0.5%、初回発情後&2回目発情前では8%、2回目発情後であれば26%、2.5才を過ぎると発生率は急増します。避妊手術を受けなかったわんちゃんは4頭中1頭は乳腺腫瘍が起こり、 初回発情前に避妊手術を受けたわんちゃんは1,000頭に5頭しか乳腺腫瘍が発生しないという報告もあります。

子宮蓄膿症

名前の通り「子宮に膿が貯まる」病気です。若い子の発症は少なく、避妊手術をしていない中~高齢のわんちゃん、ねこちゃんに発症します。 9才以上では66%に起こるとも言われています。一度発症すると内科療法(注射や投薬)での根治はほとんど不可能であり、たとえ麻酔の危険性が高い高齢であっても外科療法である 卵巣子宮摘出手術(避妊手術と同じ)に頼らざるを得ません。避妊手術を実施した場合、将来に子宮蓄膿症が起こる事はないとされています。

卵巣腫瘍

卵巣に発生する腫瘍は乳腺腫瘍ほど多くありませんが、持続・不規則発情や貧血・脱毛などを引き起こす場合があります。治療法は卵巣・子宮摘出手術(避妊手術)であり、 早期に避妊手術を実施した子には発症しません。

全身麻酔について

ペットの全身麻酔は去勢・避妊手術や病気の手術の際に必要になります。

麻酔のリスクがある可能性のある子は事前に検査を行いましょう。

全身麻酔の安全性

特異体質&全身性疾患

「世の中に100%安全な麻酔薬はない」と動物医療でもヒトの医療でも昨今を問わず言われています。さらにヒトでも特異体質があるように、 希ですが動物にも麻酔薬に対して特異体質を示す子がいます。

                           

「インヘリテッド・リスク」といわれる、術前検査を実施しても、事前にわからない避けきれないリスクです。このリスクを持った子が約5,000頭に1頭いるとされています。 基本的にヒトの医療と同じく非常に安全な麻酔薬を使っておりますが、「心疾患」「肝疾患」「腎疾患」等の全身性疾患を持っているわんちゃん・ねこちゃんは麻酔のリスクが高くなります。

全身麻酔前の術前検査

元気=健康ではなく、症状が見られなくても重い病気が隠されている事があります。特に中高齢(5、6歳以降)に心疾患・肝疾患・腎疾患等が多くなりますが、 1歳未満では「先天性疾患」が認められる事があります。その為避妊・去勢手術(全身麻酔)であっても、事前に術前検査(血液検査・レントゲン撮影)を行います。

血液検査では、主に貧血の数値や血が止まりにくくないか、肝臓・腎臓の数値等を測定します。

レントゲン検査では、肺炎・肺水腫等の有無、心臓の大きさ・型、腫瘍等の有無を確認します。

全身麻酔が身体・主要臓器に負担にならないかどうかを調べますが、数値に大きな異常が出た場合は手術は延期し、異常値に対する治療を行う事となります。

全身麻酔にはほとんど影響しない程度の異常値であれば、麻酔薬の種類を変更したりする事で、その影響をさらに小さくする事ができます。 術前検査をしなければ手術(全身麻酔)ができない訳ではありませんが、かけがえのないペットの為に、是非検査をしてあげて下さい。

術前検査は、手術当日に受ける事が出来ますが、必要に応じて事前に心電図検査、エコー検査等を行う場合があります。

二次診療について

ロッソ動物病院で診療をした結果、専門性の高い治療が必要と判断した場合や高度な検査が必要、または、ご希望の場合は、
大学病院や専門病院のご紹介をいたしますので、安心してご相談下さい。

当院の主な設備

手術には以下のような機器を使用します。

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    全自動血球計数器

    血球の計数を計ります

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    生化学自動分析装置

    肝機能値などを計ります

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    ガス麻酔ユニット

    手術の際の